上司にお酌をするタイミングとは

社会に出てからの宴席では、「自分のグラス」だけを気にしていて済むわけではないのです。気にしなければいけないのは「人のグラス」です。これは「気が利くヤツ」という評価を得るために大切なことです。

普段は自分のグラスだけを気にして、自分の目の前の料理だけを気にすればいいと考えている人は、特に気をつけなければいけません。「人のことを気にかける」という姿勢がこれほど重視される場は、他にはないかもしれません。宴席では、酔いが入っている分、その人がどのような人間なのかということがまるわかりになってしまう恐ろしい場なのです。

会社の集まりであれば、いくら業務時間外であるとはいえ、上司と部下、先輩と後輩という絶対的な立場の違いは変わりません。そのような立場の違いを意識しないまま、「自分はただ座っておとなしくしていよう」と考えているだけでは、かえって目立ってしまうのです。それも、悪い目立ち方です。同輩からすれば「ノリが悪いヤツ」として、上司や先輩からすれば「気が利かないヤツ」として、決して良くないレッテルを貼られてしまうことがあるのです。

そのようなことにならないためには、兎にも角にも「人のグラスを気にする」ということが大切です。人のグラスにまだお酒が入っているのかどうか、人のグラスが「空」であれば、「何か頼みますか」と聞いてあげる気遣いが大切なのです。これができるだけでまずは第一段階、進めたことになるでしょう。これが苦手な人はずっと苦手ですし、自然とこのようなことができる人は特に何も考えなくてもこのような配慮ができるものです。それは人間性なのか、それとも育ってきた環境の違いなのか、はたまた性格の違いによるものなのかはわかりませんが、そのような配慮ができるだけで、まずは宴会で問われる行動の第一はクリアになっていると考えてもいいでしょう。

相手のグラスが空であれば、「どうですか」と注ぐ。これが自然になればそれだけで宴席で「不義である」と問われなくなるといってもいいのです。その先にあるのは「話しを合わせることができるかどうか」ということ、さらには「相手に好かれるかどうか」ということです。そのようなことを主に気にしなければいけないのは「接待」の席や上司と同席する場合などです。そのようなことに長けている人は、宴席での「外交」に重宝されることもあるというものです。それが本人にとって良いのかどうかは、話しが別ではあります。

最低限、人に対しての配慮がとれれば、あとはその人の持っている特性次第ではあります。ただ人のグラスを気にすることができて、ただ人に対してお酌ができるということ、それさえ心得ておけば、とりあえずはどのような場でも乗り越えられるでしょう。ただ、「酌をする」キッカケをつかむためには、相手と「会話しておく」ということが重要ではあるのです。相手と会話することで、自然とお酒を注ぐタイミングが作れるのです。