宴会には「芸」がつきものというイメージがあるかもしれません。ですが、社会に出てみるとわかるのですが、「芸」を要求されるような宴会などはそうそうありません。

宴会に参加するたびに「一芸」を求められるようであれば、煩わしいことこの上ありません。ただ、みんなが楽しむような場を更に盛り上げることができるような「精神」を持ちあわせていることは、大人の世界を渡るためのひとつの「武器」になります。その「場」を盛り上げることができるマインド、その場をどうにかして盛り上げようとする精神を持ちあわせていることは、そのような宴席の場ではとても役に立つもので、さらには人から「好感」を持ってもらうために最適でもあるのです。そのような人物は、場によってはとても重宝されることになります。

それはまさに「特性」とも言えるもので、鍛えることができるようなものではありません。「人を楽しませる一芸」などというものは、そうそうあるものではありません。天性の素質として明るい人、根っからの「楽しいこと好き」の人物でなければ、どのような人でも楽しませるようなことはできないもので、それは「鍛える」ようなものでもないものです。もしも、そのような「人前で何かをやる」ということを「強要」されてしまい、そのようなことが「苦手」であるのであれば、それ自体が「ストレス」になってしまうようなことも考えられます。会社や組織によっては、「つまらない」ということ自体が咎められることもあるものです。

例えばクリエイティブ系の職種であったり、営業を主とするような会社であったりすれば、「内向的」であること自体が「マイナス」として捉えられてしまうこともあります。そのような環境に身を置いた場合、そのような「人」に対する評価が偏っているということは十分にあり得ますし、それを「ナンセンス」と決めつけること自体もできないかもしれません。そのような環境がどうしても「嫌」なのであれば、その環境から脱するしかその事態を打開する方法はないかもしれないのです。

そのようなことを考えてみると、どのような環境に身を置くかで「正義」とされることが変わってくるというもので、覇気のない職場もあれば、活気に満ちた職場もあるということです。覇気のない職場の宴会はやはり静かなもので、それがどうしても嫌だという人もいることでしょう。「楽しくなければ宴会ではない」と考えるような人もいるもので、そのような人であれば、人を笑わすことができるジョークのひとつも持ちあわせているものでしょう。

「宴会芸」などというものは改めて考えるようなものではないかもしれません。人を楽しませることが好きな人が、自然と身につけているようなものなのかもしれません。そうではないのであれば、カラオケのひとつでも歌えるようになっていればいいのではないでしょうか。それは「上手い下手」ということは関係なく、宴会の席で人肌脱ぐということが大切なのではないでしょうか。たとえその歌が下手でも、みんなが楽しめればいいのです。