宴会の予算とはどれくらいか

「不況」と言われてはじめて久しいものです。社会的に家庭の金銭的な負担は増える一方ではあるものの、収入は増えない。ジリジリと締め付けられていくような感覚は、誰もが感じていることでしょう。

そのような状況の中、個人が宴会にかけられる予算というのも徐々に減ってきているようです。当然といえば当然かもしれません。さらには若い世代に象徴される「欲のなさ」というものも起因しているのかもしれません。車も欲しくない、出世もしなくていい、とりあえず生きることができればそれで良いという人が多くなってきているのです。そのよう世代にとってみれば「宴会」などというものは煩わしいものでしかないのかもしれません。日々の仕事をこなせばよく、人間関係も関係ない、人が自分をどう思おうと関係ない、そのような意識を持っている人も確かにいるのでしょう。

そのような人にとっては、「その先に何かがつながる宴会」でないのであれば、参加する意味も感じられないのかもしれません。そして、参加する意味を感じないような宴会に対して投資する価値も感じないのでしょう。おのずと「予算」を絞るのはうなずけるものです。

そのような背景もあり、年々「宴会」に対しての予算は絞られつつあります。宴会がいくら人との交流を図れるようなものであったとしても、その交流の密度は「予算」とは関係のないものです。いくらお金をかけても築くことができない関係もあります。「人と人」との関係は予算ではないのです。

ですから、家計の負担にならない程度に収めようという風潮も多々あるもので、宴会を取り仕切る「幹事」の人の手腕としては「どれだけ低コストでみんなが楽しめるのか」という事を考えるということに尽きるのです。さらには、そのような社交の場で「低予算で」と言い出せる人も少ないもので、そのような人にとってみれば「宴会」というものは「またお金を搾り取られるぞ」という場でしかないと感じてしまっていることもあるかもしれません。

現在の宴会の予算の相場は3000円台にまで下がっています。定期的に開かれる宴会で、どうしても参加が拒めないようなものであるのであれば、それは定期的な支出になるのです。人付き合いというものはどこへ行っても、何をしていても変わることがないものです。景気が上向きになりつつあるとはいえ、それが還元されないようであれば、そのような宴会の支出に対してシビアに考えてしまうのもうなずけるというものでしょう。

伴って居酒屋では格安コース合戦が繰り広げられています。そのような風潮の中、「選ばれる」店になるということは居酒屋にとっても死活問題だからです。

「欲」がなく、「価値」にシビアな若年世代が働きはじめたこと、さらには家計への負担がジワジワと上がっている状況下では、宴会に避ける予算が下がってしまうのも仕方がなく、伴って居酒屋の相場も下がりつつあるのです。家計に負担なく人と交流できることができるようになってきています。